2008年 06月 17日
新古物主義
戦後の一時期、日本に駐留した進駐軍
彼らは日本家屋を仮の住処とした
アメリカの習い通り自分たちの家とするために、内装をペンキで塗り替えた
銘木もこだわりのあった塗り壁も全てペンキの下に消えたのである
このことについて、日本文化の冒涜という批判であったのか
それとも単にアメリカ人の生活を紹介しただけだったのか
はっきりした記憶はないが、そんな記事を以前目にしたことがあった
(念のために:女史は進駐軍ががいる頃は生まれていなかった。
おそらく、多分、きっと・・・)
そもそもは、お膳の入っていた古い箱にペンキ塗りをしたことであった
それが同居人の‘そのままの方が良かったのに・・・’という言葉に
先の記事を思い出したのである
これも、文化の冒涜かと思いながら、途中でやめるわけにもいかず・・・
それでも蓋裏の・・・大正8年1月新調・・・という文字が何となく身に刺さる
なんでもかんでも、古いものを新しく変身させてしまうことには
女史も賛成ではない
ただ、変えても良いもの、変えたら再び日の目を見るものには
手を掛け、力を貸して再起を促すのも良しと思う
100年になろうという木箱
納戸の片隅から日に当たるところで、これからさらに100年生きて欲しい
そっと、木肌をなでながら囁いた女史の声は青くなった箱に届いているはず
と、キレイ事を言ってみても女史の本音は
‘ペンキ塗りがすきなのだー’
一言に尽きるのかな
by konnitiwan
| 2008-06-17 08:37
| 手仕事