2008年 07月 14日
推薦します。
一個ずつの焼き型で焼かれたものを天然物、
旗のように幾つか並んだ焼き型で焼かれたものを養殖物。
このように、たい焼き愛好家が呼んでいることを
3年ほど前に‘たい焼きの魚拓’という本で知ったのである。
世の常に漏れず、天然物の店は減少の一途とのこと。
昔からの焼き型を使う店の主人の老齢化が一番の原因らしい。
その天然記念物化しつつある天然物たい焼き屋が
なぜか、名古屋から伊勢に通じる街道に多く点在するのである。
愛好家内では、たい焼きロードと称されている。
近くにいるうちにと暑い中、たい焼き捕獲に・・・(女史、流浪の民なのである。)
店はずいぶん高齢の夫婦が営んでいるため
不定休、用意したものを使い切れば閉店となる。
今回で3度、捕獲することが出来たが、勝率は5割といった具合である。
たい焼きは、勿論美味しい。地元人に聞いてもここが一番と言う。
しかし、それよりももっと感激?興味深かかったことがあるのである。
以前、求めたときは数が多かったのでたい焼きを箱に入れてくれた。
おばあさんが手馴れた仕草で包んだ後、箱の四隅に目打ちで湯気を
抜くために穴をあけたのである。
たい焼きの箱入りなど初めての女史、その心遣いはとても新鮮かつ感激物だったのである。
(おばあさんにしてみれば長年の包装マニュアル通りなのかもしれないが。)
たい焼きが暮らしにもっと寄り添っていた時代
1個売りで子供が道端で食べるものから、
箱に入れられた土産物まで幅広く活躍していた名残りを見た気がするのである。
この店もこの代限りと聞く。
おそらく縁日やスーパーの店先のたい焼き屋では
穴あき、箱入りたい焼きにお目にかかることはないだろう。
女史は箱入りたい焼きを日本なつかし遺産に推薦する。
追記:穴のあいた箱を見せたくて奮発、たい焼き10個を捕獲したのである。
by konnitiwan
| 2008-07-14 08:44
| 食べ物